2週間にmspyを使ってみた|正体はスパイアプリ?|mSpyの発見方法・対策
「他人のスマホを簡単に監視できる」や「無料で浮気調査ができる」といった魅力的なキャッチフレーズで人々を誘い、集客する手法は、mSpyをはじめとするスマホ監視アプリでよく見られる手口です。しかし、本当に宣伝通りの優れた機能が備わっていて、しかも無料で利用できるのでしょうか?
今回の記事では、mSpyを実際に使ってみた経験を基づいて、代表と言えるスパイアプリの実態に迫り、その真相を明らかにします。mSpyのようなスマホ監視アプリの甘い言葉に安易に惑わされないよう、十分注意しましょう。
「浮気調査アプリ」や「他人のスマホを見る」といったキーワードでGoogle検索すると、必ずと言っていいほどmSpyのサイトや広告が上位に表示されます。そのため、「mSpyはどんなアプリなのか?」と疑問に思う人も多いでしょう。
mSpyはペアレンタルコントロール(Parental Control)や浮気調査アプリを自称していますが、この2週間のmspyについての実際に使ってみた体験から見ると、mspyの正体は利用者の知らぬ間に個人情報や位置情報を盗み出し、第三者に送信する機能を備えています。無断での利用には法的リスクも伴うスパイアプリというものです。
さらに、過去にはユーザーの個人情報漏洩事件も何度か発生しており、信頼性に欠けるアプリです。利用する際は十分な注意が必要です。
mSpyのユーザーセキュリティや法律面での潜在的なリスクを理解していても、「それでも構わない、mSpyを使いたい」と考える人もいるでしょう。そうした方々のために、ここではmSpyの機能を詳しく紹介し、果たして宣伝どおり本当に簡単に監視でき、無料で利用できるのかを検証していきます。
▶リアルタイムの所在地追跡
mSpyで位置情報の追跡が可能とありますが、リアルタイムではありません。ターゲットのデバイスとデータベースの同期には約1時間かかるため、即座に確認することはできません。さらに、今回の利用時には機能が正常に作動しないトラブルも発生しました。
作動しないトラブル
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▶無料のトライアルつき
mSpyの公式サイトや広告では「無料アプリ」と記載されていますが、実際には無料ではありません。利用するには必ず料金が発生します。
mSpyの各プラン価格の一覧
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他の同類アプリと比べてもかなり高い価格です。
▶返金ポリシー提供
Trustpilotなどの口コミサイトでmSpyの評価を集めようとすると「返金のリクエストを発信しても、なかなか返信しなかった」など類似なコメントが残っています。
この他にも愚痴をこぼす不評価がいっぱいあるので、ここでは一応その典型的なものを取り上げましょう。
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▶SNSアプリ監視可能
mSpyの広告やダッシュボードには、多くのソーシャルメディアプラットフォームが表示されており、通常は利用できるはずですが、今回のテストで使ってみたら相手のAndroidデバイスのWhatsAppのみが遠隔監視でき、他のSNSアプリのデータは一切表示されませんでした。
▶iPhoneとAndroid対応
子供のスマホがiPhoneの場合、監視できるのはメモ、カレンダー、ファイル、リマインダー、連絡先、テキストメッセージ、イベントなどの限定的な情報にとどまります。一方、SNSアプリの監視やブラウザ履歴のチェックなど、魅力的な機能はAndroidのみ対応しているため、iPhoneユーザーは購入前に慎重に検討する必要があります。
▶サイトやアプリのブロック
mSpyのサイト・アプリブロック機能は、Androidのみ対応しています。カテゴリ別のコンテンツフィルタリングはできませんが、特定のウェブサイトへのアクセス制限は可能です。さらに、特定のアプリやWi-Fiネットワークのブロックにも対応しています。
▶ブラウザ履歴チェック
mSpyのブラウジング履歴機能は、子供が有害・不適切な内容を検索したり、不正なサイトにアクセスしたりするのを防ぐために、検索履歴や最後に訪れたページなどの情報を提供します。これにより、保護者は状況を把握し、迅速な対応を取ることができます。
mSpyの公式サイトに記載された利用ガイドでは、「わずか3ステップで簡単にモニタリングを開始できる」と説明されていますが、実際はそう簡単ではありません。これらのステップを完了した後でも、ターゲットのデバイスにアプリをダウンロードし、各機能に必要な権限を一つずつ許可する煩雑な手順が必要です。さらに、脱獄(ジェイルブレイク)は選択肢ではなく必須事項となっており、その結果、デバイスのセキュリティが大幅に低下するリスクがあります。導入前には慎重な検討が必要です。
結論から言うと、mSpyの利用はおすすめできません。なぜなら、スパイアプリや監視アプリは、相手の許可を得ずに個人情報へ不正にアクセスし、情報を盗み取る行為だからです。道徳的にも法律的にも許されるものではありません。さらに、mSpyの宣伝内容と実際の機能には大きな乖離があり、実際に利用したユーザーの評価を見ても「詐欺アプリ」との声が多くあります。相手の情報を得るどころか、自分の個人情報まで漏洩するリスクがあるため、利用は避けるべきです。
この記事を読んで、スパイアプリmSpyの潜在的なリスクを認識し、使用を諦めた方も多いでしょう。しかし、mSpyの魅力的な宣伝広告に惑わされ、一時の気の迷いで試してしまう人が全くいないとは言い切れません。例えば、もし自分のスマホにこのようなアプリがインストールされていたら、どう対処すればよいのでしょうか?ここでは、スマホ監視アプリ・スパイアプリの発見方法や対策について解説します。
スパイアプリはバックグラウンドで密かに動作しますが、完全にバレないわけではありません。わずかな痕跡が残るため、スマホに以下の異常が見られた場合は要注意です。
- バッテリーの減りが異常に早い 盗聴アプリが常時稼働していると、バッテリー消耗が早まる。
- 端末の発熱 バックグラウンドで処理が続くことで、スマホが異常に熱くなる。
- 動作の遅延 不審なプロセスが稼働していると、スマホの動作が重くなる。
上記のような異常が見られた場合は、次の対策法を試してスマホの安全を確保しましょう。
このようなスパイアプリは、時に他のアプリのアイコンやロゴを偽装することができるため、スマホにインストールされていても発見が非常に難しくなります。そこで、筆者は「Msafely」というスマホの安全保護ツールをおすすめします。Msafelyは、インストールされたアプリの管理機能を通じて、スパイアプリやマルウェアを自動的に検出し、迅速に対応することができます。これを活用すれば、スマホの安全をしっかりと守ることができます。
スマホを初期化される注意点と手順は以下のように示されています。
▶初期化前の注意点
▶iPhoneの初期化方法
- バックアップを取る:「設定」→「自分の名前」→「iCloud」→「iCloudバックアップ」→「今すぐバックアップ」
- iPhoneを初期化する:「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」
- 再設定:初期化後、iPhoneは「Hello」画面が表示され、セットアップを行います。
▶Androidの初期化方法
- バックアップを取る:「設定」→「Google」→「バックアップ」→「今すぐバックアップ」
- Androidを初期化する:「設定」→「システム」→「リセット」→「データの初期化(工場出荷時の状態にリセット)」→「すべて消去」を選択
- 再設定:初期化後、デバイスは工場出荷時の状態に戻り、再度設定が必要です。
実際に使用してみると、mSpyは宣伝されているほど万能なものではないことが明らかになりました。mSpyのようなスパイアプリを使って他人のスマホを監視するどころか、逆に自分の個人情報が漏れるリスクを招く可能性もあります。スマホの監視アプリを使用する誘惑に負けず、自分の個人情報とプライバシーを守りながら、スマホを健全に使いましょう。